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オバマはなぜ広島に?広島原爆ドームの世界遺産登録にアメリカが反対しなかった理由

オバマはなぜ広島に?なぜ広島が世界遺産登録にすんなりとなったのか?

オバマ大統領の原爆ドームを含めた広島訪問が決まり、来訪する際に謝罪表明をするかどうかが議論になっています。
原爆ドームの世界遺産登録時にアメリカは棄権はしたものの、正面切っての反対しませんでした。
それは、なぜなのかを調べてみました。



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オバマが来訪する原爆ドームの世界遺産登録にアメリカが反対しなかった理由は?

オバマ大統領の広島原爆ドーム訪問時に謝罪をするか否か話題になっています。
一方、世界記憶遺産への登録問題では、中国が、南京虐殺を世界記憶遺産に登録申請を行い、
日本はこれが政治的だと反対して、ユネスコへの財政的な寄与を停止すると宣言していました。
同時に、日本は、「舞鶴への生還―1945~1956シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録―」の登録申請を行い、
ロシアがこれに反対しました。
結局両者とも昨年10月に登録されることになりました。

世界遺産のうち、人類が犯した悲惨な出来事を伝え、そうした悲劇を二度と起こさないための戒めとなる物件が
いわゆる「負の世界遺産」といわれるもので、その中でも有名なのはポーランドにある「アウシュヴィッツ強制収容所」
(ポーランドの要望で、「アウシュヴィッツ・ビルケナウ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940年-1945年)」に名称変更)と
広島の原爆ドームである。
なお、ユネスコが公式に「負の世界遺産」の分類を行っているわけではない。

世界遺産の登録基準のうち、以下の6条のみかこれと組み合わせた基準に基づき登録された。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰
または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。

「アウシュヴィッツ強制収容所」については、終戦後間もない
1947年、ポーランド国会においてアウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所を
後世への教訓のために保管することが決定され、アウシュヴィッツ博物館が設立された。

そして、世界遺産条約が、1975年に締約国が20か国を超え発効した。
発効してまもなくの1979年に、「アウシュヴィッツ強制収容所」は、
第一・第二強制収容所の遺構が第二次世界大戦における悲劇の証拠であり後世に語り継ぐべきものとして、世界遺産に登録された。

登録に際しての議論(当時の西ドイツ、東ドイツがどのように対応したかなど)については、現在資料が見当たらない。

一方、原爆ドームについては、1992年9月に、日本が世界遺産条約加盟したのを契機として、
原爆ドームの世界遺産化の声があがり、翌年の世界遺産化を求める国会請願のための全国的な署名運動を経て、
国は1995年6月に世界遺産として登録するよう世界遺産委員会に推薦しました。
その結果1996年12月に、原爆ドームは、「人類史上初めて使用された核兵器の惨禍を如実に伝え、
時代を超えて核兵器の廃絶と世界の恒久平和の大切さを訴え続ける人類共通の平和記念碑」として、
ユネスコの世界遺産一覧表に登録された。

先の基準(6)のみで登録されたのは原爆ドームだけだが、その登録に際して委員会は紛糾し、
アメリカ合衆国は戦争遺跡を世界遺産に含めること自体に否定的な見解を示した。
このときの決議は、あくまでも平和希求の象徴として評価に基づいており、
評価基準の適用に当たっては「戦争」との関連は直接的に示されていない

原爆ドーム世界遺産登録に対する中国と米国の反対理由と当時の世界情勢

遺産化に際して、メキシコ・メリダ市で開かれた世界遺産委員会の場で、米国と中国が表明した不支持の理由は以下です(翻訳)。
http://goo.gl/01RNA8
http://whc.unesco.org/archive/repco96x.htm#annex5

<中国>
第二次世界大戦の間に、生命と財産の最も大きな損失を被ったのは、他のアジアの国々や国民でした。
しかし、今日この歴史的事実を否定しようとしている少数の人々がいます
もし広島の推薦が、世界遺産リストに含まれることが承認されれば、例外的にせよ、
それはこれらの少数の人々によって有害な目的のために利用されることがありえます。
これは、もちろん、世界の平和と安全を防護する助けとなりません。このため中国はこの推薦の承認を留保します。

<米国>
米国は世界遺産リストに原爆ドームを推薦する本日の決定から距離を置きます。
米国と日本は親しい友人であり同盟国です。我々は、世界中の安全、外交、国際・経済事案で協力しています。
両国は多くのアメリカ人と日本人の間に深い個人的な友情によって結ばれています。
たとえそうであっても、米国は、この登録においてこの友人を支持することはできません。

米国は原爆ドームの推薦での歴史的な視点が欠けているのを懸念しています。
米国の核兵器の使用は第二次世界大戦を終了するための先行する出来事であり、広島の悲劇を理解する鍵です。
1945年までの期間のいかなる分析も、適切な歴史的文脈に置く必要があります

米国は戦争遺跡の登録はこの条約の範囲外と考えています。
私たちは、世界遺産リストのための戦争遺跡の適合性の問題に対処するために委員会を要請します。

米国は実際に核兵器を使用した国であり、中国は日本に対し、戦場での残虐行為への反省を求めている国である。
こうした国は、そう簡単に核兵器否定のシンボルを認めるわけにはいかなかったのでしょう。
それでも、中国、米国は世界遺産委員会で、棄権はしましたが、正面切って『遺産化に反対だ』とは言えませんでした。

それは、当時、世界の流れが確実に、核兵器のない世界を求める方向に向かっていたからだと思われます。
包括的核実験禁止条約(CTBT)が調印され、国際司法裁判所(ICJ)も核兵器の違法性を指摘した。
被曝50周年を境に、国際社会の流れが一つの方向に集約されてきたようでした。

原爆ドーム世界遺産化推進委員会東京委員会副会長として、
ドームの世界遺産化実現に尽力した日本画家・平山郁夫氏(被爆者)は当時を以下のように振り返っている。

原爆の被害を訴える場合でも、恨みを乗り越え、国際的に説得力のある説明をすることが必要だ。
相手の立場を考えたうえで、普遍的な考えを訴えていく必要がある。
そう考えて、遺産化にあたっては『ドームを核兵器廃絶の一里塚の象徴とするよう協力してほしい』
『歴史の教訓としてドームを認知してほしい』と、米国、中国、フランスの人々に働きかけた。
国家間でばらつきは大きかったが、核廃絶の必要性についてはみんなが賛成してくれた。…

さらに、筆者も改めて認識したのだが、世界遺産リストに登録されている正式な遺産名は、
「原爆ドーム」ではなく、「広島平和記念碑(原爆ドーム)」である
原爆ドームが被爆の恐ろしさを伝えるだけではなく、
原爆ドームを『平和記念碑』として核兵器廃絶の一里塚の象徴としてが故に、
世界遺産に登録されたのだと考えるべきだろうと思いました。

そのように、人類全体の視点から考えると、違和感のあった原爆ドームの
「二度とあやまちは繰り返しませんから」の言葉の意味も少し理解できるようになります。



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■ オバマ大統領の広島原爆ドームへの訪問に関する日本の反応

*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。
世界遺産登録を巡るやり取りも、昨今のように、自国の主張ばかりをして、他国を非難するのではなく、
世界全体として平和を求めるのに、どうすればいいかという視点が少なくとも当時の各国にはあったように思える。

米国が正面切って反対せず、棄権に回ったのは、当時の世界の核廃絶への機運と、原爆ドームが被害の悲惨さだけを伝えるのではなく、
核兵器の廃絶と世界の恒久平和の大切さを訴え続ける人類共通の平和記念碑としての位置づけがあったからだと思われる。

オバマ大統領の広島訪問が、昨今のぎすぎすした国際情勢を少しでも改善する契機となって、
世界の核廃絶への再確認の場になることを願いたい。
■関連記事
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