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IBM訴訟で判決下る!不当解雇?ロックアウトは果たして断罪されたのか?

いきなり解雇を通告され、翌日から会社への立ち入りを禁止される所謂「ロックアウト解雇」を不当だとして、
日本IBMの元従業員ら5人が同社を訴えていた裁判で、3月28日、東京地裁の吉田徹裁判長は、
解雇の無効と賃金の支払いを命じる判決を出した



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不当解雇と訴えたIBM訴訟で判決下る!ロックアウトは果たして断罪されたのか?

解雇された5人のうちの1名の解雇の当時の状況は以下であった(出典 日本IBM指名解雇の一部始終、NEWS ポストセブン)。
・2012年7月下旬の週末、直前まで翌週の仕事の打ち合わせをしていた上司に午後5時に 会議室に連れてゆかれる。
・会議室に行くと、部門長と人事担当者が書類を開いて座っている。上司は「連れてきました」とだけ言い残し、会議室から出て行く。
・部門長にうながされるまま着席すると、書類を入れた封筒を渡され、「中身を見てください」と言われ、封を開けると、
「解雇予告通知」および「解雇理由証明書」が入っている。
・呆然として内容を確認する。<会社は、貴殿を2012年7月26日付で解雇します。貴殿は業績が低い状態が続いており、
その間、会社は職掌や担当範囲の変更を試みたにもかかわらず業績の改善はなされず、
会社は、もはやこの状態を放っておくことができないと判断しました>
・「なぜ解雇なのか?」を問うと、人事担当者は「まぁ、聞いてください」と文面を事務的に読み上げ、
具体的な解雇理由の説明もないまま一方的に終了。
・会議室を出される際、「上司が付き添うので、終業時刻までに会社を出てください」と通告され、
呆然としたまま退社。
・翌週、改めて事情を聞こうと出勤すると、入館証が使えず社内に入れない。
受付で上司を呼び出そうとしても、「上司、その他におつなぎできないことになっています」と回答される。

東京地裁は、5人について一部業績不良が見られたとしつつも、解雇すべきほどのものではなく、
会社側が職種の転換などの手段を講じるべきだったと判断。解雇は客観的に合理的な理由を欠き、
「権利濫用として無効」とした。ただし、給与の支払い等を理由に、損害賠償請求は認めなかった。
また、会社が解雇通告と同時にロックアウトしたこと自体は違法ではないとした。

判決後に記者会見した原告の男性(59)は「解雇手法はあまりに強引。他の会社に広がる前に止められて良かった」と話した。
日本IBMは「主張が認められず遺憾だ。判決内容を精査して対応を検討する」とのコメントを出した。

吉田徹裁判長は、原告らの業績が解雇するほど悪くはなかったとし、
適性に合った職種に変えたり職位を降格したりして改善の機会を与えるべきだったと指摘。
「解雇には合理的理由がない」と述べた。

米国在住の専門家の書いた会社側から見た米国での解雇マニュアルは以下である。
出典ERPNAVI2015年 8月26日浜崎 日菜子 (Global Career Partners Inc.) 「第16回 アメリカの解雇について思うこと」

1.解雇をすると決めたら、解雇理由となるもの、勤怠、パフォーマンス評価(業務目標を達成していない)などの記録を整理しておくこと。
2.解雇を告げるのは、金曜日の午後3時頃を選ぶこと。解雇をされた人は感情的になり、何かを起こす、
あるいは自分の弁護士に相談して会社を訴えようとするケースがあるが、
金曜日の午後3時であれば、荷物をまとめて会社を出た頃には弁護士事務所は閉まっている。
週末に時間をおけば冷静になれる。
3.解雇をされた人に心配される大きなリスクは顧客情報をはじめとする機密情報の持ち出しのため、
解雇を告げるために別室へ呼んだときからコンピュータへのアクセスを一切させず、
解雇を告げたら直ちにオフィスから出て行ってもらうこと。

今回の例で言うと、2,3についてはきっちりマニュアルどおり行っているのに、
肝心の1が不足しており、裁判でも、実質的な解雇理由を証明できなかったと言うことになる。

この出来事の2ヶ月前、日本IBM社長が交代し、ドイツ人のマーティン・イェッター氏が就任した。
外国人がトップになるのは56年ぶりのことであり、本国ドイツで「コストカッター」と呼ばれる辣腕を振るい、
業績を立て直してきた実績を持つ人物だった。
最盛期に比べ、売上高が半減した日本でも大規模なリストラを断行するのではないかとみられていた。

2015年1月1日にマーティン・イェッター社長が、米IBMの最大の事業部門である「グローバル・テクノロジー・サービス」部門の責任者に就任した。
グローバル・テクノロジー・サービス部門は、IBMの2014年7~9月期決算において全社売上高の41%を占めるというIBM最大の事業部門である。
イェッター氏が率いる日本IBMは、2014年4~6月期決算まで7四半期連続で増収を記録した。
日本における成功体験を全世界に広げることがイェッター氏のミッションとなるということだ。

即ち、マーティン・イェッター社長の日本IBMでの、建て直しは大成功であったと言うことだ。
彼にとっては、人員解雇は、その建て直しのほんの一部であったと想像される。

日本IBMといえば、中興の祖とされる椎名武雄社長(在任1975年~93年)がよく知られており、
日本でIBMのコンピューターをがんがん売り、IBMの中で日本の地位を上げたことで有名である。
日本IBMはノートパソコン「シンクパッド」開発など、全世界のIBMの成長の原動力でもあったが、
その後、2012年まで、新しいビジネスモデルを創出できずに縮小均衡に陥り、
売り上げが最盛期の半分まで落ち込むこととなった。そこでの外国人社長の誕生であったわけだ。

では「ロックアウト解雇」自体は裁判で、どう判断されたのであろうか?
解雇は「権利濫用として無効」としたものの、
会社が解雇通告と同時にロックアウトしたこと自体は違法ではないと裁判官は述べている。

日本では、解雇を行うためには「4要件」という慣例が存在し
(1)人員整理の必要性
(2)解雇回避努力義務の履行
(3)被解雇者選定の合理性
(4)手続の妥当性
今回「解雇権の濫用」と指摘されたのは、判決理由から見ると、
(3) 原告らの業績が解雇するほど悪くはなかったであり、
(4) 手続の妥当性即ち「事前の説明・協議があり、納得を得るための手順を踏んでいなくてはいけない」には報道から見る限りでは、具体的に踏み込んでいない

したがって、判決が、米国流ロックアウト解雇自体が違法であると断罪したとは言えないと思われる
(判決文原文に、今日の時点でアクセスできないので、報道を基に考えた)。

解雇は無効であるとの判断がなされたというものの、ロックアウト解雇が違法とは、判断されなかったわけで、
機密情報の持ち出しのためを防止するためには、会社側としては当然の処置であるということかと思う。

不当解雇と訴えたIBM訴訟で判決下る!ロックアウトは果たして断罪されたのか?の日本の反応と海外の反応を比べて見ましょう。

■IBM解雇無効訴訟の判決下るに関する海外の反応

世界中で、こんなことは日常茶飯事なのか、twitterのコメントは以下1件のみでした。


裁判所は日本IBMに、業績不良として解雇された日本の5人の労働者を復帰させるよう命じた。彼らにもう一度チャンスを与えなければいけないということだ。



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■ IBM解雇無効訴訟の判決下るに関する日本の反応

*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。

ネットユーザーの意見は、判決が出て、良かったというのは、労働組合関係者が主で、
むしろ裁判官も認めている「一部業績不良が見られた」という点に重きを置いています。
彼らも日常的に、プレッシャーを受けていて、単純に解雇無効が良かったとはならないのでしょう。

グローバル化の時代、外資系企業でなくても、業績が悪くなると、
いつ外国企業に買収され(最近の例では、シャープ電気)、外国の労働慣行を持ち込まれることがありえます。
日本の法律に準拠すべきだと、主張しても、日本の慣例がどこまで認められるのか
(情報漏洩事件が相次ぐ中、解雇後に引き継ぎ、資料整理など許されなくなっている)、
裁判で争うにも多大のエネルギーと、時間がかかります。

ますますグローバル化する日本の企業人としては、当然のことながら自己の能力アップを日々怠りなく、
何処に言っても通用する専門スキルを持ち、会社に居てもらわなければ困ると認めさせるしかないようである。

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